参考情報:健康に関する豆知識:栄養素についてのトピックス
健康に関する豆知識を、参考情報として提供いたします。
※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。
血液をサラサラにする不飽和脂肪酸 オメガ3脂肪酸とは?
ダイエットにおいて、糖質や脂質を極端に制限する方がいますが、脂質はタンパク質と同様に人の体を構成する大切な栄養素なので、その性質や種類を見極めてしっかりと摂取する必要があります。
脂質は脂肪酸とモノグリセドに分解されて吸収されますが(三大栄養素とダイエットを参照)、体の構成要素となる脂肪酸には、摂ることでメリットが大きいもの、逆にデメリットの方が大きいものがあります。
今回はその辺りをまとめてみたいと思います。
脂肪酸は、下記の通り大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
◆飽和脂肪酸
・牛肉や豚肉など動物性食品に多く含まれる。
・体温差から人の体内ではドロドロになり、また摂りすぎるとLDLコレステロールや中性脂肪が過多となり、高脂血症や動脈硬化の原因となる。
・成長促進作用があるため、子供のころ(成長期)の摂取はメリットが大きいが、大人が摂り過ぎると老化につながる。
・パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などがある。
◆不飽和脂肪酸
・植物性の油や魚類の油に多く含まれ、心疾患や動脈硬化などの予防に働く。
・一価脂肪酸
・オメガ9(9系)脂肪酸
・オレイン酸
・多価脂肪酸
・オメガ3(3系)脂肪酸
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・EPA(エイコペンタエン酸)
・DPA(ドコサペンタエン酸)
・αリノレン酸
・オメガ6(6系)脂肪酸
・リノール酸
・γリノレン酸
・アラキドン酸
上記の通り、脂質源として、肉よりも魚の方が体にいいとされているのは、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の含有量の差にあります。
そして、不飽和脂肪酸のうち、生体内では合成できない必須脂肪酸とされているのが多価脂肪酸のオメガ3とオメガ6です。
オメガ6脂肪酸の代表格は、紅花油やコーン油などに多く含まれるリノール酸です。
血中LDLコレステロールを下げる働きがあるとされていますが、摂りすぎるとHDLコレステロールまで下げたり、酸化しやすいため過酸化脂質となって生活習慣病につながる原因ともなりますので、注意が必要です。
注目はオメガ3脂肪酸で、その代表格はみなさんよくご存じのDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。
そのプロファイルを下記にまとめます。
■オメガ3脂肪酸
・血中LDLコレステロールを下げ、かつHDLコレステロール増やし、また細胞膜を柔軟にして、血液をサラサラにする作用がある。
・不足すると皮膚炎などを生じる。
・心血管疾患リスク低減、血中中性脂肪低下作用、関節リウマチ症状緩和、乳児の生育・視覚発達補助などにおいて、豊富なエビデンスを有する。
・DHA(ドコサヘキサエン酸):
・脳と眼の神経伝達をよくする。
・脳機能の発達や維持に重要な役割を果たす。
・痴呆の予防に働く。
・EPA(エイコペンタエン酸):
・抗血栓作用がある。
・動脈硬化や脂質異常症などに効果があるとされる。
DHA・EPAは、マグロ、サバ、サーモン、イワシなどの青魚に多く含まれる成分ですが、魚から摂ろうとすると必要量を摂取するためには1日あたり3匹まるごと食べなければなりません。
またオメガ3脂肪酸には、水銀などの重金属と結合しやすという性質もあります。
そういった意味では、サプリメントから摂るのがベターです。
DHA・EPAは酸化しやすいので、ビタミンEなど抗酸化物質が一緒に配合されているものがおすすめです。
悪質なオメガ3サプリメントには重金属類を含むものがありますので、取捨選択の眼を養うことも大切です。
まとめますと、“摂取過多になりがちな飽和脂肪酸(動物性脂肪酸)は控えめに、健康によいとされる不飽和脂肪酸、とりわけオメガ3脂肪酸はしっかり摂取する” 意識を持つ。ただし摂り過ぎは禁物。ということですね。
以上、今回はオメガ3脂肪酸を中心に、脂肪酸についてまとめました。
栄養学についての基礎知識を持っておくことは、日々の食生活の改善、トレーニング、ダイエットを行う上で、とても役立ちます。
少しでも参考になれば幸いです。
written by staff M.Uchida
2015.06.23
【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター